
<登場人物>
水嶋 遥香(27)
水嶋あずさ(54)…遥香の母親。専業主婦。
佐藤 雅人(27)…遥香の婚約者。映画製作会社勤務。
<ストーリー>
結婚式を数ヶ月後に控えた遥香と雅人。
最近雅人は、人気ケータイ小説『夏のポートレート』の映像化権を得ることにやっきになっている。
作者の実体験をもとに書かれたという17歳の少女と34歳の写真家の純愛物語が、いたく雅人の心をうったのだ。
だが、“匿名作家”のミハルは作品の映像化に乗り気ではないらしい。
そんな雅人に遥香は突然「結婚式を延期したい」と切り出してきた。
『夏のポートレート』を読んで、自分たちの間にある感情は、ここまでのものなのか、このヒロインのように、自分は雅人のことを思えているのかわからなくなった、と言うのだ。
そこに遥香の母親・あずさが訪ねてきて……。

<登場人物>
レイナ(60)…楽園の新入り。本当はナツキ(68)である。
8年前、妹のレイナを自分の身代わりにして楽園へ送ってしまい、
以後、レイナとして生きてきた。
クルミ(63)…楽園で年長のババ。
タクヤ(61)…クルミの腰ぎんちゃくのジジ。
<ストーリー>
食料不足になっている近未来の日本。
食料を自給する道を求めた人々がこぞって田舎に移り住んだため、都市は捨てられ東京は砂漠化している。
政府も公的機関もみな地方へ移転し、残されたのは東京のど真ん中で唯一砂漠化から免れた場所“楽園”。
楽園に住めるのは60歳まで生きのびた人だけの特権なのだ。
妹を身代わりに楽園へ送って、自分はシャバに留まったレイナ(本当はナツキ)だが、妹と別れてからの8年間は孤独だった。
嘘の年齢でも60歳を迎えたレイナは、とうとう楽園に連れて来られるが、そこは楽園という名の姥捨て山で……。

<登場人物>
筒美 鏡子(36)…ジャズピアニスト
室井英里子(36)…鏡子の中学時代からの友人
室井 祐二(52)…英里子の夫
<ストーリー>
ある雪のふりそうな冬の夜、鏡子のマンションに突然、旧友の英里子が訪ねてくる。
英里子は、中学時代に鏡子をジャズの世界にひっぱりこんだ友人だった。
「高校を卒業したら一緒にバークリーに留学しよう」というのが2人の夢だったが、現実は2人を別の世界に引き裂くことになる。
鏡子は初志貫徹して単身アメリカへ。
「必ずあとを追う」と約束した英里子は、約束をはたせず、20歳で祐二のプロポーズを受ける。
結局、高校卒業以来2人が会うことは一度もなかった。
その英里子がなぜ突然鏡子を訪ねてきたのか?
話をするうちに、英里子が家出してきたらしいことに気づく鏡子。
英里子が眠ってしまったあと、祐二に連絡をいれる鏡子だが、そのことで封印してきた思いと向き合うことになり……。
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