『アラカン!』登場人物ファイル

■劇団明星■
1951年創立。築地小劇場の流れを汲む老舗劇団。
故・広川龍太郎(納谷悟朗)が演じた『オセロー』を財産演目にしている。

 ガラスのハートを持つ熱い演出家
 片瀬 文也(57・演出家)…後藤敦
所属は演技部。根っからの新劇人。広川の『オセロー』を観て明星に入団。いつかオセローをやりたいと願いつつ、後継者になりきれないまま還暦を迎えかかっている。芝居にかける情熱は強いが、頭でっかちで頑固な性格のため、人間関係でつまづくことが多い。弱点は消化器系。今回、月島の指名でアラカン付きの演出家を担当することになったが…。


 男前キャラの看板女優
 八神 笙子(51・女優)…南風佳子
所属は演技部。人気韓流ドラマ『雪のトッカータとフーガ』のヒロイン役の吹き替えでブレイク。そのため一般人の認知度は劇団内で一番高い。けなげな役どころを多く演じているが、実際はかなり男前なキャラ。片瀬とは3年前まで夫婦だった。今回、アラカンクラスの広告塔として久しぶりに片瀬と仕事をすることになったが…。


 老舗に斬り込む非情なる仕分け人
 月島 依子(53・プロデューサー)…岡のりこ
広川の娘。明星の制作チーフ。企業の経営コンサルタントとして数々の業績をあげてきたが、1年前、明星の経営を建て直すため新しい制作チーフとして就任。強引なやり方に劇団内では不満が渦巻いているが、重鎮の身内なので誰も何も言えない。決めゼリフは「大人になりましょうよ」。


 アラカン嫌いの演出助手
 高見沢 ハジメ(34・演出助手)…田中英樹
所属は演技部。アラカンの世話係に指名されるが、アラカンには批判的で、片瀬と同様、素人に聖域を踏み荒らされたくないと思っている。制作のパシリ的扱いを受けていることも不満で、月島に対する反発心はかなり強い。奈緒をいじめてストレスを発散している。調子がいいように見えて、意外に抜けている。


 自称文芸部のエース
 里村 奈緒(29・演出助手)…沖田愛
所属は文芸演出部。アラカン担当になるが、ハジメと違ってアラカンには協力的。劇団の財産となるようなオリジナル作品を作って長く上演されることを夢見ているが、新しいものを作ることに消極的な劇団にとっては面倒な存在。ボーっとしているように見えて意外にしたたか。

 


■ハーヴェストシアター(ARK7)■
劇団明星が設立したシニア向けクラス。
劇団内では冷ややかに「アラカン(アラウンド還暦)」と呼ばれている。

 ARK1●実力ナンバーワンのアラカンの星
 志乃田 朋彦(60・元高校教師)…根本泰彦
アラカンメンバーの中でもっとも演劇に造詣が深い。大学時代から芝居に熱中していたが、卒業後は高校教師に。しかし芝居への夢は断ちがたく、勤務先では仕事よりも演劇部の顧問としての活動に熱中。定年を迎えた今年、晴れて憧れの明星に応募。気分はすっかり新劇役者で、生徒たちにむけてツイッターで頻繁に稽古状況をつぶやきまくっている。


 ARK2●スーツよりもジャージが似合う弁護士
 戸根 篤史(58・弁護士)…上間幸徳
弁護士としてはおっとりしていていまいち押しが弱いが、温厚で社交的でマメな性格。弁護士だけで結成したアマチュア劇団「ひまわりブラザーズ(通称ひまブラ)」に参加しているが、プロの舞台に立ちたくてハーヴェストシアターに応募。ちなみに「ひまブラ」の舞台は説明台詞が多すぎて不評。


 ARK3●アングラ好きの永遠のピーターパン
 小椋 健介(57・ニート)…溝口敦
「自分は労働する星のもとに生まれていない」という信念を持ち、この年まで働いたことがないという高等遊民。実家は千葉の開業医で、現在は弟があとを継いでいる。生活苦も責任も味わったことがないため、実年齢よりもかなり若く見える。小遣いをたかられっぱなしの10歳年下の弟は、小椋よりも数段老けて見えるという噂。


 ARK4●ヘルパーは見た!が持ちネタの元介護職
 関根 素子(65・元介護職)…丸山裕子
看護師出身のケアマネージャー。介護ヘルパーを通してさまざまな人間模様を見聞きし、豊富な経験談を持つ。関根の介護トークはアラカンたちの人気の的だが、それでいつも稽古が中断されてしまうため片瀬には警戒されている。韓流ドラマとサスペンスドラマが大好き。八神の大ファンでハーヴェストシアターに応募。


 ARK5●歌って踊れる元銀行員
 向井 暁子(61・元銀行員)…小宮和枝
高卒で定年まで勤め上げ、なおかつ独身なので経済的に余裕あり。シニカルで現実的な性格。キャピキャピした都倉とは基礎科時代からソリが合わず、ケンカが絶えない。ミュージカルが大好きで、舞台に立つとキャラが変貌する。自宅には歌の練習用に防音スタジオがあるという噂。


 ARK6●女子力旺盛な有閑マダム
 都倉 初美(57・主婦)…森澤早苗
早くに結婚したため、人生に対して不完全燃焼感がある。若い頃はモテタイプで、今でも女子力は旺盛。とりあえず異性には隙を見せるのがポリシー。芝居は新派のような時代ものが好き。舞台にあがる一番のモチベーションは華やかな衣装を着ること。他にもいろいろなお稽古事をかけもちしており、遅刻早退の常習犯。


 ARK7●超ワガママな謎の大富豪
 相馬 徳二郎(95・無職)…沢りつお
長生きしすぎて退屈をもてあましている老人。明星の昔からの贔屓筋で、タニマチ的存在。広川の黒塗り姿にずっと憧れていた。特別枠でハーヴェストシアターにまんまと横入りするのだがはたしてその動機は…?長寿の秘訣は「我慢しないこと」。座右の銘は「無理を通せば道理がひっこむ」。